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濱田 一弥; 松井 邦浩; 高橋 良和; 中嶋 秀夫; 加藤 崇; CSモデル・コイル実験グループ
低温工学, 38(8), p.417 - 424, 2003/08
日本原子力研究所は、 ITERの工学設計活動の一環として、NbAlインサート・コイル等を製作し、13Tの磁場下で国際共同実験を行った。これらの実験の結果、通電中の導体の圧力損失の変化を調べることによって、コイル状態では見ることのできない導体内部の撚線の動きを推測できることが明らかとなった。今回、NbSn素線とは機械的性質が異なるNbAl線材を用いた導体について、電磁力に対する圧力損失の挙動に注目して圧力損失を測定し、過去に行われた導体の測定結果とともに解析してまとめた。その結果、(1)定常状態における圧力損失は、NbSnを使用した導体とNbAl導体は、撚線構造が同じであれば、同様の特性を示すことがわかった。(2)同じ撚線構造でも、圧力損失特性にはばらつきが見られる。これは4次撚線とジャケット,中心チャンネル間に発生する隙間の効果であり、撚線ピッチが長い導体に発生し易いと考えられる。(3)圧力損失に対する電磁力の影響は、同じ撚線構造のNbSn導体よりもその影響は小さく、NbAl撚線は剛性が高いことがわかった。(4)ボイド率が小さくなるにつれて、圧力損失に対する電磁力の影響は少なくなり、撚線の動きを低減できることが明らかとなった。
濱田 一弥; 河野 勝己; 松井 邦浩; 加藤 崇; 杉本 誠; 原 英治*; 奥野 清; Egorov, S. A.*; Rodin, I.*; Sytnikov, V. E.*; et al.
低温工学, 37(10), p.531 - 538, 2002/10
国際熱核融合実験炉(ITER)の工学設計活動において、トロイダル磁場(TF)コイル用超伝導導体の製作性や性能を実証することを目的として、TF実寸導体を使用したTFインサート・コイルを開発し性能試験を行った。流体特性として、圧力損失特性が電磁力や通電履歴に依存する特性を示すか否かを検証した。過去の研究では、撚線は電磁力によって変形し、ジャケットと撚線との隙間に新たな流路が形成され、圧力損失が変化すると考えられる。また電磁力が繰り返し加わることによって撚線断面が塑性変形し、圧力損失の永久的な変化が起きると考えられるが、過去のモデル・コイル実験では、永久的な圧力損失の変化は明確には観測されていない。測定の結果、コイルを通電すると圧力損失は低下し、電磁力の影響を観測した。また、通電を積み重ねることによって、永久的な圧力損失の変化が生じることを観測した。圧力損失の変化を説明する撚線の変形量を計算した結果、13T,46kAで撚線は電磁力により1.4mm変形したと考えられる。
濱田 一弥; 加藤 崇; 河野 勝己; 原 英治*; 安藤 俊就; 辻 博史; 奥野 清; Zanino, L.*; Savoldi, L.*
AIP Conference Proceedings 613, p.407 - 414, 2002/00
国際熱核融合実験炉(ITER)の工学設計活動の一環として、中心ソレノイド(CS)モデル・コイルが日本,欧州,ロシア及び米国の国際協力により、製作され、性能試験が行われた。CSモデル・コイルは、強制冷却型ケーブル・イン・コンジット導体を採用しており、導体内部に4.5Kの超臨界ヘリウムを流して冷却する。導体の圧力損失を調べることは、コイルの熱的な性能及び冷凍機の負荷の観点から、極めて重要である。今回CSモデル・コイルの実験において、ITER実機規模の超伝導導体として初めて、4.5Kの超臨界圧ヘリウムによって圧力損失特性が測定されたので、その結果について報告する。
濱田 一弥; 河野 勝己; 原 英治*; 加藤 崇; 榛葉 透*; CSモデル・コイル実験グループ
低温工学, 36(6), p.330 - 335, 2001/06
国際熱核融合実験炉(ITER)の工学設計活動の一環として、中心ソレノイド(CS)モデルコイルが開発され、性能試験が行われた。CSモデルコイルは、強制冷却型超伝導コイルであり、36本のケーブルインコンジット導体を使用している。実験では、コイルの流体特性としてITER実寸導体の圧力損失特性及びコイルの流量配分について4.5Kの超臨界圧ヘリウムを使用して初めて測定を行ったので、その結果について発表する。
神永 雅紀; 木下 秀孝; 羽賀 勝洋; 日野 竜太郎; 数土 幸夫
JAERI-Tech 99-051, 56 Pages, 1999/07
水銀ターゲット技術を確立するため、熱流動特性、機器健全性、エロージョン特性等の設計に不可欠な試験が可能な装置の検討を行い、最大流量15L/minの水銀流動基礎実験装置を製作した。水銀流動試験の第一段階として、非加熱流路を用いた壁面摩擦係数測定を実施した。その結果、水銀の濡れ性が運転時間の増加とともに改善され、壁面摩擦係数が増加することが明らかとなった。壁面摩擦係数は、試験開始直後には壁面での水銀のスリップにより、なめらかな管の摩擦係数評価式であるBlasiusの式で求めた値よりも小さいが、運転時間が11時間を越えると10%以内の偏差でよく一致し、Blasiusの式が設計に使用可能であるとの見通しを得た。また、本報告書では、装置の特性や水銀循環時に生じた技術的な問題について述べるとともに、ターゲット開発に不可欠な今後の試験計画も示した。
中村 秀夫
JAERI-Research 96-022, 135 Pages, 1996/05
本研究は、軽水炉事故時の気液二相流挙動予測を高精度化するため、水平二相流でのスラグ流の発生条件と関連素過程に対し、従来の小規模、低圧力での実験に基づく予測モデルの改良、又は相関式を新たに作成し、実規模流動への拡張を試みたものである。このため、TPTF蒸気/水試験装置と水平矩形ダクト空気/水試験装置の2つの実規模装置を用い、流動の模擬と可視化観察を行った。その結果、蒸気/水二相流でのスラグ流及び波状噴霧流への遷移境界を良く予測する為、改良Taitel-Duklerモデル、気液界面摩擦係数の実験式、改良Steen-Wallis相関式等が得られた。さらに、これらの改良モデルや相関式を連係して用いると、本研究での実験条件範囲内ではあるが、スラグ流が生じる流量範囲を、発生条件の流路高と系圧力への依存性と共に良く予測できることを確認した。
稲垣 嘉之; 小磯 浩司*; 井岡 郁夫; 宮本 喜晟
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 1(PART B), p.633 - 637, 1996/00
高温工学試験研究炉(HTTR)の中間熱交換器(IHX)の実寸大部分モデルを用いた空気流動伝熱実験を行い、ヘリカルコイル型熱交換器の伝熱管外の熱伝達特性、圧力損失特性等を評価した。試験体は、3層54本のヘリカルコイル伝熱管群、センターパイプ等から構成される。本熱交換器の各層の伝熱管群の間には、伝熱促進のために熱放射板が設置されている。空気温度300Cの条件までで、この熱放射板により伝熱管外の熱伝達率が5~13%促進されることを確認した。また、強制対流による伝熱管外の熱伝達率はRe、圧力損失係数はReの関数で表されることを明らかにした。
中村 秀夫; 久木田 豊; 田坂 完二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 32(9), p.868 - 879, 1995/09
被引用回数:4 パーセンタイル:43.23(Nuclear Science & Technology)LOCA時の1次系内冷却材分布は、水平配管内の流動様式に依存する。特に、波状流からスラグ流への遷移は、界面波が気送流れを塞ぐ液スラグに成長する結果生じ、界面摩擦や流路の圧力損失の増加を伴うため、その予測は重要である。ところが、スラグ流遷移の予測には、波状流での水位予測が必要であるものの、予測に必要な気液界面摩擦係数は、スラグ流遷移時のような液深の深い波状流(ボイド率~0.6)でのデータや予測式が大変少なく、壁摩擦係数などで代用されることが多い。そこで、TPTF装置の水平円管テスト部(直径87及び180mm)を用いた、高圧(3-9MPa)の水/蒸気二相流実験を行い、スラグ流遷移境界近傍の波状流について調べ、界面摩擦係数を与える実験式を求めた。実験式はKelvin-Helmholtzの界面不安定性理論に基づくパラメータで構成され、TPTF実験結果での配管口径及び圧力依存性をよく表すことができる。
高瀬 和之; 日野 竜太郎; 宮本 喜晟
日本原子力学会誌, 32(11), p.1107 - 1110, 1990/11
被引用回数:12 パーセンタイル:86.39(Nuclear Science & Technology)HENDELに設置されている燃料体スタック実証試験部の1チャンネル試験装置(T)を用いて、HTTR用標準燃料棒の伝熱流動試験を行なった。Tでは完成当初から模擬燃料棒による伝熱流動試験を行っており、その成果はHTTRの炉心設計に反映された。一方、Tによる試験が行われている間にHTTRでは数回の設計見直しが行われ、原子炉熱出力、炉心寸法等の諸条件の変更に伴って、燃料棒の外径が46mmから34mmに、燃料チャンネルの内径が53mmから41mmに変更された。そこで、現設計仕様である標準燃料棒の形状寸法を模擬した燃料棒を使って燃料チャンネルの熱流動特性を調べ、その結果とHTTRの炉心設計式を裏付けるために用いられた従来のT試験から得られた実験式とを比較検討し、従来式が標準燃料棒の熱伝達率及び摩擦係数の各整理式として十分適用できることを確認した。
大貫 晃; 安達 公道; 村尾 良夫
Nucl.Eng.Des., 107, p.283 - 294, 1988/00
被引用回数:65 パーセンタイル:97.59(Nuclear Science & Technology)傾斜管付き水平管内気液(水/空気及び蒸気/飽和水)対向二相流制限(CCFL)に対する流路寸法の効果を調べた。本形状は加圧水型炉のホットレグを模擬している。 従来の実験相関式では、実寸規模(内径0.75m)のデータを予測できなかった。小型実験での流動観察により解析モデルを導出し、種々の圧力での種々の寸法の実験にあてはめ寸法効果を評価した。 小型実験での評価より、主要な対向流制限の存在する領域が、傾斜管の長さが長いほどベンド部側水平管内から傾斜側へシフトすることがわかった。 このシフトの程度は、より大きな内径の流路では小さくなった。高圧の場合にも、シフトが生じることが推定された。
丸山 創; 高瀬 和之; 日野 竜太郎; 井沢 直樹; 菱田 誠; 下村 寛昭
Nucl.Eng.Des., 102, p.1 - 9, 1987/00
被引用回数:9 パーセンタイル:66.68(Nuclear Science & Technology)多目的高温ガス実験炉炉心燃料体を模擬した燃料体スタック実証試験装置(T)により、燃料チャンネル1本分に関する伝熱流動試験を行った。試験の結果、燃料棒の摩擦係数と熱伝達率は内面加熱時の平滑環状流路の値と比較して、それぞれ約20%、約15~60%高い値を示した。この原因として燃料棒表面に取り付けられたスペーサリブによる伝熱促進効果、あるいは両面加熱による熱伝達率の向上が考えられる。また低レイノルズ数域において、熱放射が有効な伝熱機構であることが確認された。
松井 浩; 吉田 芳和; 村田 幹生; 大畑 勉
Journal of Nuclear Science and Technology, 11(7), p.300 - 307, 1974/07
被引用回数:5サンプリング配管におけるエアロゾル粒子の沈着は、濃度評価に誤差を生じさせることになる。水平管の場合、層流域での沈着率は、重力沈降および拡散による沈着の式によって評価できる。乱流域については、二つの方法が提示されている。一つは吉岡らの沈着速度の式を用いる方法であり、他の一つは著者らの外挿法(層流域での沈着式を乱流域へ外挿したものと乱流域での沈着式との和)である。本報では、上記二つの方法の妥当性を実験により検討した。とくに、重力沈降の乱流域での沈着に与える影響、および乱流域での沈着率に対する管璧の粗さの効果について述べる。